第1回カリキュラム
マーケの全体地図:何を決める仕事か
(顧客・価値・届け方・改善)
マーケは「売る施策」ではなく、売れる条件を整える意思決定です。
この回は、全体を見渡す“地図”を手に入れる回です。
0. この回の進め方
- まず本文を読む(15〜20分)
- ChatGPTに「御社の例」で短く聞いて、理解を具体化する(10〜15分)
- 理解チェック3問で定着させる(5分)
ChatGPT利用のルール(社内向け)
- 社外秘・個人情報は入れない(売上や顧客データは「概算」「匿名化」「要約」ならOK)
- 前提が曖昧なときは、ChatGPTに「仮説で進め、確認すべき前提も出して」と頼む
ただし、ちょっとGPTの学習設定をオフにしていれば、それほど気にする必要はなし
今日のゴール
- マーケが「何を決める仕事」かを一言で説明できる
- 御社の3つ(店舗/自社EC/モール)を同じ“地図”で説明できる
- 「広告・SNS=マーケ」という誤解が解ける
1. マーケティングは「売る仕事」ではなく「売れる状態を作る仕事」
マーケティングは、広告やSNSのような“施策”だけを指しません。
本質は、売れる条件を整えるための意思決定です。
その意思決定を助けるために、世の中にはさまざまな手法(フレームワーク/ツール)があります。
※この回で暗記する必要はありません。「道具がある」ことを俯瞰する目的です。
参考:代表的なマーケティング手法(全体像)
A. 顧客を理解する(誰に)
- 3C分析:顧客・競合・自社で状況整理
- STP:市場分け→狙う相手→立ち位置
- ペルソナ:典型顧客像で精度UP
- JTBD:選ばれる「用事」から捉える
- VoC:顧客の声を分類して掴む
B. 価値を設計する(何を約束)
- ポジショニング:「何者として」選ばれるか
- 価値提案:価値を一文で言語化
- USP / RTB:強み+信じられる根拠
- ブランド設計:選ばれ続ける理由を整える
C. 届け方を設計(どう届ける)
- 4P / 4C:施策整理の棚
- AIDMA / AISAS:行動の流れで導線設計
- ファネル:段階別に整理
- ジャーニー:体験を可視化し改善点発見
D. 改善して強くする(どう良くする)
- KPIツリー:目的→要因→指標に分解
- LTV / CAC:投資判断の基準
- コホート分析:継続・購買を追う
- A/Bテスト:実験で学びを積む
E. 関連分野(効かせる引き出し)
- 行動経済学・行動心理:損失回避、社会的証明(レビュー)、希少性など

この回では、道具箱を丸暗記するのではなく、まずマーケが何を決める仕事かを、次の“地図”で理解します。
2. マーケの全体地図(顧客・価値・届け方・改善)
マーケは概ね、次の4つを決める仕事です。
① 顧客
誰の、どんな状況のために?
「文房具が好きな人」だけだと曖昧。
状況×求めていることまで具体化します。
- 推し作品の限定グッズを買い逃したくない
- 表参道で「体験として面白い場所」を探している
- モールで比較して、早く安心して買いたい
② 価値
その顧客に何を約束する?
価値は機能だけでなく、体験・安心・選びやすさ・限定性・世界観も含みます。
- 店舗:行く価値(体験)
- 自社EC:買う価値(企画・限定・正規性)
- モール:迷わず買える価値(比較・信頼・配送)
③ 届け方
どこで、どうやって届く形にする?
ここはチャネルと導線。
店舗/自社EC/モールで“選ばれ方”が変わります。
- 店舗:知る→来店→体験→再来店/紹介
- 自社EC:告知→商品ページ→購入→発送→共有→再購入
- モール:検索→比較→商品ページ→購入→レビュー→再購入
④ 改善
測って、学んで、直す
マーケは一回で完成しません。
うまくいった/いかなかったを学んで次に反映します。
- どこで離脱?(予約前、カート、検索露出など)
- 何が不安?(納期、正規性、返品、混雑など)
- どう言えば伝わる?(言い方、画像、導線)

3. 御社の例で見る:同じ地図を3つの事業に当てはめる
- 実店舗:表参道の文房具カフェ
- 自社EC:文房具カフェオンラインストア
- モール:ユウセイ堂(アニメコラボグッズ等は自社で企画・開発・販売まで実施)
A) 文房具カフェ(実店舗)
- 顧客:体験目的/文房具好き/表参道ついで/コラボ目的など
- 価値:空間・接客・企画も含めた「来る理由」(体験価値)
- 届け方:来店導線(予約/アクセス等)/店内体験/口コミ・共有
- 改善:来店前の不安解消、再来店動機、共有されやすい体験設計
B) 文房具カフェオンラインストア(自社EC)
- 顧客:コラボ作品ファン/遠方/買い逃し回避など
- 価値:企画力のあるコラボ商品、限定性、正規性、購入体験の安心
- 届け方:告知→商品ページ→決済→発送→開封→共有→再購入
- 改善:カート落ち理由を潰す、購入後満足を次回につなげる
C) ユウセイ堂(モール)
- 顧客:検索の目的買い/比較/早く確実に届く安心を重視など
- 価値:品揃え、選びやすさ、取引の安心(配送・対応・レビュー)
- 届け方:検索→比較→商品ページ→購入→レビュー→再購入
- 改善:「露出」と「CVR」を切り分けて改善する
4. よくある誤解(この回でほどく)
誤解:マーケ=SNS運用/広告
→ SNSや広告は「届け方」の一部。顧客と価値が曖昧だと刺さらない。
誤解:マーケ=売上を上げる担当
→ 売上は結果。マーケは「売れる条件(顧客・価値・届け方・改善)」を整える。
誤解:店舗とECは別物
→ 別チャネルだが同じブランド体験。つなぐほど強くなる余地がある。
5. ChatGPTへの質問例(この回は合計5つ)
使い方:まずは ①〜③(担当に近いもの1つ)だけでOK。余裕があれば④⑤。
※コピーボタンは使わず、枠内をドラッグ選択してコピーしてください(折り返し設定済み)。
① 文房具カフェ用(全体地図を埋める)
あなたは社内マーケ講師です。 表参道の「文房具カフェ」について、 マーケの全体地図(顧客・価値・届け方・改善)を 各項目2〜3行で、やさしい言葉で説明してください。 前提が不明な部分は「仮説」と明記し、 最後に確認すべき前提を3つ挙げてください。
② 文房具カフェオンラインストア用(全体地図を埋める)
あなたは社内マーケ講師です。 「文房具カフェオンラインストア(コラボグッズ)」について、 顧客・価値・届け方・改善 を各2〜3行で説明してください。 特に「限定/受注/発売タイミング」がある場合に、 改善で見落としがちな点も1つ入れてください。
③ ユウセイ堂用(全体地図を埋める)
あなたは社内マーケ講師です。 「ユウセイ堂(モール型EC)」について、 顧客・価値・届け方・改善 を各2〜3行で説明してください。 モール特有のポイントとして、 「検索で見つかる/見つからない」「見られる/買われない」の切り分けも入れてください。
④ 3つを比較して“注力点”を掴む(全体をつなげる)
文房具カフェ(店舗)/文房具カフェオンラインストア(自社EC)/ユウセイ堂(モール)を比較して、 それぞれが特に強くなるべき「顧客・価値・届け方・改善」の注力ポイントを1行ずつでまとめてください。 最後に「3つを連携させると強い理由」も2行でお願いします。
⑤ 理解チェック(学びを深める)
今日のテーマ「マーケの全体地図(顧客・価値・届け方・改善)」の理解チェック問題を5問作ってください。 形式:○×2問、選択式2問、短答1問。解答と解説付き。 例は、文房具カフェ/オンラインストア/ユウセイ堂から必ず入れてください。
6. 理解チェック(3問・5分)
- マーケの全体地図の4要素を順番に言うと?
- 「届け方」には広告以外に何が含まれる?(御社例で1つ)
- 改善とは何をすること?(「測って直す」を自分の言葉で)
7. 今日のまとめ(3行)
- マーケは「売れる状態」をつくる仕事で、顧客・価値・届け方・改善を決める。
- 御社の3つ(店舗/自社EC/モール)は、同じ地図で整理できる。
- 代表的な手法は、この地図のどこかを助ける「道具」である。
次回予告(第2回)
次回は、地図の最初の一歩である 「顧客理解」を具体化するための 3Cに入ります。
(第1回が“地図”、第2回が“地図の最初の書き込み”です。)