コース内容
Marketing Basic Lecture
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東光ブロズのマーケティングベーシックレクチャー

第9回カリキュラム(ver1.0)

ファネル分解(段階×指標):KGI/KSF/KPIを「どこで落ちているか」に配置し、原因を“切り分け”できるようにする
(文房具カフェ/文房具カフェオンラインストア/ユウセイ堂の例)

第9回は、第8回で置いた KGI / KSF / KPI を、ファネル(段階)に配置します。
目的は「どこで落ちているか」を直感的に見える化し、原因を数字で切り分けられる状態にすることです。

所要時間
30〜45分(読む15〜20分+ChatGPTで確認10〜15分+理解チェック5分)

※重いワーク(資料作り・提出)は不要。「読む→短く確認→理解を固める」が目的です。

0. まず第8回(KGI / KSF / KPI)の要点を簡単に復習(3分)

第8回では、CJMで見つけた“詰まり”を、改善が運用できる形にするために
KGI→KSF→KPI に落としました。

  • KGI:最終ゴール(来店数、購入件数、売上など)
  • KSF:成功要因(満たすべき状態)
  • KPI:KSFの進捗を測る指標(先行指標を中心に)

ただし、KGI/KSF/KPIを置いただけだと、次の課題が残ります。

  • KPIが散らばって見え、“どこで落ちているのか”が直感的に分からない
  • KGIが悪化したときに、どのKSFが原因かを 切り分ける時間がかかる
  • 改善の議論が「施策案出し」に偏り、原因の特定が弱いまま実行してしまう

そこで第9回でやること

KPIを ファネル(段階)に配置し、
「どの段階で落ちているか」「原因は何系統か」を切り分ける方法を身につけます。

1. 今日のゴール(この回でできるようになること)

  1. ファネル分解が何のための道具かを説明できる(原因を切り分ける)
  2. 第8回の KGI/KSF/KPIをファネル(段階)にマッピングできる
  3. 3チャネル(店舗/自社EC/モール)で、
    “見られていない”のか“見られているが進まない”のか“不安で止まる”のかを切り分けられる(仮説でOK)

この回のキーメッセージ

  • KPIは段階に置くと見える
  • 原因は上流/中流/下流で切れる
  • まずどこで落ちたか、次になぜ落ちたか
  • 施策は最後(原因特定の後)

今日のアウトプット(軽量版)

  • 対象チャネルとKGIを固定
  • ファネル(段階)を4〜6段階で置く
  • 各段階にKPIを1〜3個
  • 切り分け手順(上流→下流)を固定

2. ファネル分解とは何か:KPIを「段階」に並べて、落ちている場所を特定する

ファネル分解は、ひと言で言うと次の考え方です。

定義(この回の結論)

お客様の行動の流れ(段階)に、KPIを置いて“どこで落ちているか”を見える化する

第6回ではAIDMA/AISASで段階を学び、第7回ではCJMで接点まで落とし、第8回でKGI/KSF/KPIを作りました。
第9回では、それらをつなぎます。

  • 段階(流れ):AIDMA/AISAS、あるいは「表示→クリック→詳細→カート→購入」など
  • 指標(測る):KPI
  • 目的(切り分け)
    • “露出不足”なのか
    • “比較・理解不足”なのか
    • “不安(RTB不足)”なのか
    • “導線(Place)”なのか
    • “条件(Price)”なのか

これらを、議論ではなく数字で当てやすくします。


3. どの順序で考えるか:KGI/KSF/KPI → ファネル(実務手順)

おすすめは次の 5ステップです。

Step 0:対象(チャネル)とKGIを固定する

例:店舗=予約完了数、自社EC=購入完了数、モール=購入件数(CVR)など。

Step 1:段階(ファネル)を置く

  • 店舗は AIDMA(または「認知→検討→予約→来店」)が見やすい
  • 自社EC/モールは AISAS(またはECの一般ファネル)が見やすい

Step 2:KSFを段階に割り当てる

KSF(成功条件)が、どの段階で効くべきかを決めます。
(例:モールの「合致確認」はSearch段階で効く、など)

Step 3:KPIを段階にマッピングする

各段階に「1〜3個」ずつ置くのが運用しやすいです(最初は少なく)。

Step 4:切り分けルールを決める

KGIが落ちたとき、どの段階のKPIから見るか(上流→下流)を固定します。
例:まず露出(Attention)→ 次に比較(Search)→ 次に購入(Action)。


4. 学ぶ意欲が上がる「典型パターン」:ファネルでの落ち方は大きく3種類

ファネル分解の強みは「落ち方の型」に当てると早いことです。典型は次の3つです。

パターンA:そもそも見られていない(上流が弱い)

  • 症状:KGI低下+上流KPI(表示数、CTR、流入)が低い
  • 打ち手の方向:露出、クリエイティブ、検索対策、導線の入口改善(Promotion/Place)

パターンB:見られているが、比較・理解で止まる(中流が弱い)

  • 症状:流入はあるが、詳細到達・滞在・比較系KPIが弱い
  • 打ち手の方向:情報設計、比較表、写真、FAQ、要点サマリ(Product/Communication)

パターンC:最後の不安・条件で止まる(下流が弱い)

  • 症状:カート/予約直前までは行くが、完了率が落ちる
  • 打ち手の方向:条件の明確化(送料/締切/返品等)、購入導線、在庫/納期、信頼(RTB)(Price/Place/Communication)


5. 御社の前提(ターゲット・約束)をもう一度確認

第9回も前提は固定します(第4〜8回と同じ)。

① 文房具カフェ(実店舗)

  • ターゲット:表参道/原宿エリアで、休日に「ちょっとおしゃれで特別な体験をしたい」と思っている20代女性
  • USP(例):休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験
  • RTB(例):体験導線/空間品質/企画性

② 文房具カフェオンラインストア(自社EC)

  • ターゲット:買い逃し回避/正規ルートの安心 + 作品理解・作品愛(デザイン)重視
  • USP(例):作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ
  • RTB(例):企画背景説明/デザインの見せ方/販売条件や発送目安の明確さ

③ ユウセイ堂(モール型)

  • ターゲット:検索・比較で早く確実に買いたい + 合致・期待通りに届く不安なく満足したい
  • USP(例):合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”
  • RTB(例):型番・仕様の明確さ/誤認防止の表現/運用品質(検品・梱包・対応)

6. 御社の例:ファネル(段階)にKPIを置いて、落ちている場所を切り分ける(仮説例)

ここは理解を助けるための 仮説例です。
実務では「取れる数字」から始め、取れないものは段階的に計測を整えます。

6-A. 文房具カフェ(実店舗)

推奨ファネル:AIDMA簡略版(認知→検討→予定化→予約/来店)

KGI(例):休日の予約完了数(または来店数)

段階(ファネル) 代表的なKSF(例) KPI例(各段階1〜3個) 落ちた時の見立て
Attention(認知) 「おしゃれで特別」が一目で伝わる SNS投稿の到達/プロフィール遷移、Googleマップ閲覧数 パターンA(上流不足)
Interest(検討) 体験内容が具体に理解できる 公式サイト流入、料金/所要時間ページ到達率 パターンB(理解不足)
Desire(予定化) 予定に入れやすい(不安が少ない) 予約ページ到達率、混雑/予約問い合わせ数(減) パターンB/C(不安・手間)
Action(予約/来店) 迷わず完了できる 予約完了率、当日キャンセル率(低下) パターンC(下流詰まり)
After(共有/再来店) 共有/次回動機が生まれる 来店後投稿数、次回企画クリック Share弱い=次の認知に効かない

切り分け例(読み方)

予約完了数が落ちた → ①SNS到達/遷移は?(認知)→ ②料金/所要時間ページ到達は?(検討)
→ ③予約到達と予約完了率は?(予定化→行動)で、上流・中流・下流のどこが原因かを当てます。

6-B. 文房具カフェオンラインストア(自社EC)

推奨ファネル:AISAS簡略版(流入→詳細→条件確認→カート→購入→共有)

KGI(例):購入完了数(または売上)

段階(ファネル) KSF(例) KPI例 落ちた時の見立て
Attention/Interest(流入) 作品理解・作品愛×安心が伝わる入口 SNS/メルマガ流入、特集ページ閲覧 上流不足(A)
Search(詳細・比較) 買い逃し不安/正規性不安が減る 販売期間/発送目安セクション閲覧率、FAQ閲覧率 中流詰まり(B)=RTB不足
Action(カート) 迷いなく進める カート投入率 下流手前の詰まり(C)
Action(購入完了) 条件誤解がない/総額が明確 購入完了率、キャンセル率 下流詰まり(C)=条件/導線
Share 語れる要素がある レビュー率、SNS投稿誘発 Share弱い=次の流入に効かない

切り分け例

購入完了数が落ちた → 流入は落ちている?(上流)→ 詳細到達はある?(中流)
→ 販売期間/発送目安・FAQを見ても購入に進めている?(RTBの効き)
→ カート投入率と購入完了率、どちらが落ちている?(下流のどこか)を順に見ます。

6-C. ユウセイ堂(モール型)

推奨ファネル:モール購買ファネル(表示→クリック→比較→購入→満足)

KGI(例):購入件数(CVR改善)

段階(ファネル) KSF(例) KPI例 落ちた時の見立て
Attention(表示) 見つけやすい 表示回数(IMP) 露出不足(A)
Interest(クリック) 候補に入りやすい CTR(検索結果→商品ページ) タイトル/画像/訴求の問題(A)
Search(合致確認) 合っていると判断できる 仕様/対応条件セクション閲覧率、Q&A閲覧率 合致不安(B)=RTB不足
Action(購入) 期待通りに届く安心 購入完了率、返品理由「不一致」率(低下) 下流詰まり(C)=不安/条件
After(満足/レビュー) 安心の裏付けが残る 低評価レビュー率(低下)、配送/梱包言及 “届く安心”の品質管理

切り分け例

購入件数が落ちた → ①表示(IMP)なのか ②CTRなのか(入口)
→ ③合致確認(仕様/対応閲覧が機能しているか)
→ ④購入完了率・返品/低評価(届く安心)の順で、原因を段階ごとに切ります。


7. よくある失敗(ファネル分解で起きがちなこと)

  • 段階とKPIが対応していない:段階ごとの役割(次に進める)に合うKPIを置く
  • 上流を見ずに下流を直す:露出不足なのに購入導線だけ直しても効かない
  • KPIが多すぎる:各段階1〜3個に絞る(まず運用できる形に)
  • 施策が先に出る:まず「どこで落ちているか」を特定してから施策を出す

8. ChatGPTへの質問例(この回は合計5つ)

使い方:まずは ①〜③(担当に近いもの1つ)だけでOK。余裕があれば④⑤。
※枠内をドラッグ選択してコピーしてください(折り返し設定済み)。

① 文房具カフェ:店舗ファネルにKPIを置き、切り分けルールを作る

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:表参道/原宿エリアで休日に「ちょっとおしゃれで特別な体験をしたい」20代女性。
前提KGI:予約完了数。
AIDMAを簡略化して「認知→検討→予定化→予約」の4段階ファネルを作り、
各段階にKPIを2つずつ置いてください。
さらに、KGIが落ちた時に上流→下流の順で見る「切り分け手順」を箇条書きで提案してください。

② オンラインストア:AISASファネルで“買い逃し不安/安心/デザイン納得”を切り分ける

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:買い逃し回避/正規ルートの安心+作品理解・作品愛(デザイン)重視。
前提KGI:購入完了数。
AISAS(A/I/S/A/S)の各段階に、KSF(買い逃し不安の解消、安心、デザイン納得)が
どこで効くべきかを割り当て、各段階のKPIを1〜3個ずつ提案してください。
最後に「Searchが弱い場合に起きる症状」と「改善の方向(RTB/導線/条件)」を整理してください。

③ ユウセイ堂:合致確認と届く安心を“別ファネル”として見る

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:モールで検索・比較して早く確実に買いたい/合致不安・届く不安をなくしたい。
前提KGI:購入件数(CVR)。
モール購買ファネルを「表示→クリック→合致確認→購入→満足」に分け、
各段階のKPIを2つずつ置いてください。
さらに「合致不安」と「届く不安」を切り分けるために見るべき指標セットを提案してください。

④ 3チャネル横断:共通ファネル(上流/中流/下流)で見える化する

文房具カフェ(店舗)/オンラインストア(自社EC)/ユウセイ堂(モール)について、
共通の切り分け軸として「上流(見られていない)/中流(比較・理解)/下流(不安・条件)」の3分類で、
それぞれの代表KPIを3つずつ提案してください。
また、各チャネルで最優先で見るべき段階を1つずつ選び、理由も書いてください。

⑤ 理解チェック:ファネル分解のクイズ

今日のテーマ「ファネル分解(段階×指標)」について理解チェック問題を5問作ってください。
形式:○×2問、選択式2問、短答1問。解答と解説付き。
例は、文房具カフェ/オンラインストア/ユウセイ堂から必ず入れてください。

9. 理解チェック(3問・5分)

  1. ファネル分解の目的は何?(一言で)
  2. 「見られていない」と「見られているが進まない」は、どの段階のKPIで区別する?
  3. 下流で止まっている時、RTB(根拠)はどの接点に置くのが基本?

10. 今日のまとめ(3行)

  • ファネル分解は、KPIを段階に配置して「どこで落ちているか」を特定し、原因を切り分ける方法。
  • 落ち方は概ね 上流不足/中流(比較・理解)不足/下流(不安・条件)不足の3パターンに整理できる。
  • 御社は、店舗=予定化〜予約の不安、自社EC=Search(不安解消)からAction、モール=合致確認→購入、が特に切り分けの中心になりやすい。

次回予告(第10回)

次回は 改善優先順位付け に進みます。
第9回で特定した「落ちている段階」に対して、施策候補を棚卸しし、
インパクト×確度×工数で“次にやること”を決められるようにします。

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