コース内容
Marketing Basic Lecture
0/20
東光ブロズのマーケティングベーシックレクチャー

第6回カリキュラム(ver1.0)

AIDMA / AISAS:4Pで作った施策を「お客様の行動の流れ(導線)」に並べ直し、どこで何を伝え・不安を解消するかを決める
(文房具カフェ/文房具カフェオンラインストア/ユウセイ堂の例)

第6回は、第5回で揃えた4Pの施策を「点」ではなく「流れ」にします。
つまり、お客様の行動段階に沿って USPを言うタイミングRTBで不安を潰すタイミング を決め、導線の詰まりを特定する回です。

所要時間
30〜45分(読む15〜20分+ChatGPTで確認10〜15分+理解チェック5分)

※重いワーク(資料作り・提出)は不要。「読む→短く確認→理解を固める」が目的です。

0. まず第5回(4P/4C)の要点を簡単に復習(3分)

第5回では、第4回のUSP/RTBを「具体施策」に落とすために 4P/4C を使いました。

  • 4P(設計図):Product / Price / Place / Promotion を漏れなく設計する
  • 4C(点検表):Customer Value / Cost(不安・手間含む)/ Convenience / Communication で矛盾を見つける
  • 実務の型:4Pで作る → 4Cで矛盾(不安・手間・分かりにくさ)を潰す

ただし、4Pで施策が揃っても、次の課題が残ります。

  • 施策が“点”で散らばり、どの順に出すべきか(導線)が曖昧
  • お客様の状況に合わせて、いつUSPを言い、いつRTBで不安を潰すかが決まっていない
  • 「見られているのに買われない」「来店前に離脱」などの原因が、行動のどこにあるか掴みにくい

この回でやること

施策を「お客様の行動の流れ」に沿って整理し、詰まり(離脱)を見つけやすくします。

1. 今日のゴール(この回でできるようになること)

  1. AIDMAとAISASの違いを説明できる
  2. 4Pで作った施策を、AIDMA/AISASの各段階に割り当て(マッピング)できる
  3. 御社の3つ(文房具カフェ/オンラインストア/ユウセイ堂)で、
    どの段階の改善が効きやすいかの当たりをつけられる(仮説でOK)

この回のキーメッセージ

  • 4P=施策の「箱」、AIDMA/AISAS=顧客行動の「流れ」
  • 箱(施策)を流れに並べると、弱い段階が見える
  • USPは入口で強くRTBはSearch/Action前で厚くが基本(例外あり)

今日のアウトプット(軽量版)

  • 前提(ターゲット・USP・RTB)を固定
  • AIDMA or AISAS を選ぶ(両方でもOK)
  • 各段階で「言うこと」「不安を潰すこと」「次の行動」を決める

2. AIDMA / AISASとは何か:顧客行動を「段階」に分けて、導線の詰まりを特定する

AIDMAとAISASは、いずれも「お客様が購入に至るまでの行動の流れ」を段階で表す考え方です。
違いは、デジタル(検索・共有)をどれだけ前提に置くかです。

2-1. AIDMA(古典的モデル:認知→購買)

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動:購入・来店)

実務での使いどころ

  • 店舗の「来店検討→来店」など、必ずしも検索・共有が中心でない導線
  • “記憶(思い出す)”や“再来店”の文脈を扱いやすい

2-2. AISAS(デジタル時代モデル:検索・共有を含む)

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Search(検索)
  • Action(行動:購入・来店)
  • Share(共有)

実務での使いどころ

  • 自社ECやモールのように、検索・比較・レビューが意思決定に直結する領域
  • 購入後の「レビュー・投稿・拡散」が次の顧客獲得に効く領域


3. どの順序で考えるか:第5回 → 第6回のつなぎ方(実務手順)

おすすめは次の 4ステップです。

Step 0:前提(ターゲット・USP・RTB)を固定する(第4回の成果)

「誰に何を約束し、何で信じてもらうか」が曖昧だと、導線設計がブレます。

Step 1:AIDMAかAISASかを選ぶ(または両方で見る)

  • 店舗中心ならAIDMAが見やすいことが多い
  • EC/モール中心ならAISASが見やすいことが多い

※実務では、同じ事業でも両方で見て良いです(見落としが減る)。

Step 2:各段階で「言うべきこと」を決める

  • どの段階で USP(約束) を出すか
  • どの段階で RTB(根拠) を出して不安を潰すか
  • どの段階で次の行動へ進ませるか(CTA:予約、購入、カート投入 等)

Step 3:4Pを段階に割り当て、詰まりを特定する

4Pは“施策の箱”、AIDMA/AISASは“流れ”。
箱(施策)を流れに並べると、「足りない段階」「弱い段階」が見えるようになります。


4. 学ぶ意欲が上がる「成功事例」:AISASで見ると、施策の配置が理解しやすい(ミニケース3つ)

※「この企業がAISASを使った」と公言したかよりも、AISASの観点で打ち手が分解できる例として示します。

ミニケース① D2C(例:美容・アパレル)

Searchを前提に“証拠”を用意してCVRを上げる

  • Search:レビュー、成分/素材、FAQ、比較表、実績などが検索・比較材料になる
  • Action:不安が潰れていれば購入へ進む

学び

Search段階の情報(RTB)が薄いと、Actionに進まない。

ミニケース② 旅行・飲食

Shareを設計して、次のAttentionを生む

  • Share:写真映え、投稿したくなる体験、レビュー促進

学び

Shareを偶然任せにせず、体験(Product)側で設計する。

ミニケース③ Amazon的なEC体験

Search→Actionを最短化し、Cost(不安・手間)を削る

  • Search:検索と比較がしやすい
  • Action:配送・返品・レビューなどで不安が少ない

学び

ECでは「合っている」「届く」が決め手になりやすい(御社のユウセイ堂と親和性が高い)。


5. 御社の前提(ターゲット・約束)をもう一度確認

第6回は「導線」を扱うため、前提を固定します(第4回・第5回と同じ)。

① 文房具カフェ(実店舗)

  • ターゲット:表参道/原宿エリアで、休日に「ちょっとおしゃれで特別な体験をしたい」と思っている20代女性
  • USP(例):休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験
  • RTB(例):体験導線/空間品質/企画性

② 文房具カフェオンラインストア(自社EC)

  • ターゲット:買い逃し回避/正規ルートの安心 + 作品理解・作品愛(デザイン)重視
  • USP(例):作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ
  • RTB(例):企画背景説明/デザインの見せ方/販売条件や発送目安の明確さ

③ ユウセイ堂(モール型)

  • ターゲット:検索・比較で早く確実に買いたい + 合致・期待通りに届く不安なく満足したい
  • USP(例):合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”
  • RTB(例):型番・仕様の明確さ/誤認防止の表現/運用品質(検品・梱包・対応)

6. 御社の例:AISAS(またはAIDMA)に、USP/RTBと4Pを配置して見る(仮説例)

ここは理解を助けるための 仮説例です。
実際には、現場の導線・実データ(離脱点、問い合わせ内容、レビュー等)に寄せるほど精度が上がります。

6-A. 文房具カフェ(実店舗)— AIDMA寄りで整理(必要に応じてSearch/Shareも補助)

前提USP:休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験

前提RTB:体験導線/空間品質/企画性

A(Attention:知る)

  • 言うこと(USP):休日に合う「おしゃれで特別な体験」ができる
  • 見せる根拠(RTB):写真(空間・体験)、イベント告知
  • 4Pの対応:Promotion(SNS/発信)+Product(体験の見た目)

I(Interest:気になる)

  • 言うこと:どんな体験ができるか(滞在イメージ、所要時間、何が特別か)
  • 根拠:体験の流れ(簡潔な説明)、メニュー/体験内容
  • 4Pの対応:Product(体験設計の説明)+Price(料金の分かりやすさ)

D(Desire:行きたい)

  • 言うこと:「自分の休日に合う」と感じてもらう(友人と/一人で/写真)
  • 根拠:利用シーンの提示、混雑/予約の安心材料
  • 4Pの対応:Place(予約・来店導線)+Product(シーン設計)

M(Memory:思い出す)

  • 言うこと:「次はこの企画で行きたい」と思わせる
  • 根拠:次回企画・季節企画、会員/リピート導線
  • 4Pの対応:Promotion(継続発信)+Product(企画性)

A(Action:予約/来店)

  • 言うこと:予約・当日の流れが簡単で安心
  • 根拠:予約方法、料金、アクセス、注意点
  • 4Pの対応:Place(導線)+Price(条件明確化)+Communication(説明)

詰まりやすいポイント(仮説)

I→D(気になるが「行く理由」が弱い)、D→A(予約が面倒/不安)

6-B. 文房具カフェオンラインストア(自社EC)— AISASで整理

前提USP:作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ

前提RTB:企画背景説明/デザイン提示/条件明確さ

A(Attention:知る)

  • 言うこと(USPの入口):「作品理解がある」「デザインが良い」
  • 根拠(RTBの入口):キービジュアル、代表カット、コラボの意図一言
  • 4Pの対応:Promotion(告知)+Product(デザイン)

I(Interest:気になる)

  • 言うこと:どこが“作品理解・作品愛”なのか、何が良いのか
  • 根拠:ディテール画像、企画背景(短く)、利用シーン
  • 4Pの対応:Product(情報設計)+Promotion(説明)

S(Search:検索・比較)

  • 言うこと:安心して買える(正規/条件明確)
  • 根拠(RTBの中心):販売期間、受注条件、発送目安、FAQ、注意事項、比較情報
  • 4Pの対応:Place(EC導線)+Price(条件/送料)+Communication(FAQ)

A(Action:購入)

  • 言うこと:迷わず買える(締切/在庫/決済が明確)
  • 根拠:カート周り、決済、配送、問い合わせ導線
  • 4Pの対応:Place(購入導線)+Price(総額の明確さ)

S(Share:共有)

  • 言うこと:共有したくなる要素(背景、開封体験)
  • 根拠:開封写真、投稿例、ハッシュタグ、ストーリー
  • 4Pの対応:Product(体験)+Promotion(共有導線)

詰まりやすいポイント(仮説)

S→A(検索・比較で不安が残り購入に進まない) → RTB(条件・FAQ・正規性・説明)の厚みが効く

6-C. ユウセイ堂(モール型)— AISASで整理

前提USP:合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”

前提RTB:型番/仕様明確/誤認防止/運用品質

A(Attention:知る)

  • 言うこと(USPの入口):安心して買える(合う・届く)
  • 根拠:タイトル/画像の分かりやすさ(第一印象で誤認を減らす)
  • 4Pの対応:Promotion(モール内露出)+Product(情報の見せ方)

I(Interest:気になる)

  • 言うこと:何が安心か(合致・届く)
  • 根拠:要点(対応条件、特徴、注意点)を冒頭で提示
  • 4Pの対応:Product(ページ構成)+Communication

S(Search:検索・比較)

  • 言うこと(USPの核心):「合っているか確認できる」「買い間違いが起きにくい」
  • 根拠(RTBの中心):型番・仕様・サイズ・対応、比較ポイント、注意事項、Q&A
  • 4Pの対応:Place(モール内検索・カテゴリ)+Product(情報設計)

A(Action:購入)

  • 言うこと:期待通りに届く
  • 根拠:配送条件、梱包、検品、問い合わせ、返品対応の明確さ
  • 4Pの対応:Place(配送)+Price(送料/条件)+Communication

S(Share:共有/レビュー)

  • 言うこと:満足がレビューに反映される
  • 根拠:レビュー促進導線、トラブル時の対応品質
  • 4Pの対応:Promotion(レビュー)+Place/Communication(対応)

詰まりやすいポイント(仮説)

S→A(合致不安が残る)、A(届く不安で躊躇) → RTB(型番・条件・誤認防止・運用品質)が決定打


7. よくある失敗(AIDMA/AISASで起きがちなこと)

  • Attentionで情報を盛りすぎる:最初はUSPの入口だけで十分。詳細はSearchで出す
  • Search段階のRTBが薄い:不安が残り、Actionに進まない
  • Shareを偶然任せにする:共有は“起きる設計”(商品/体験/導線)が必要
  • 段階ごとの目的が不明:各段階の目的(次の段階へ進める)を固定する

8. ChatGPTへの質問例(この回は合計5つ)

使い方:まずは ①〜③(担当に近いもの1つ)だけでOK。余裕があれば④⑤。
※枠内をドラッグ選択してコピーしてください(折り返し設定済み)。

① 文房具カフェ:AIDMAで導線を設計する

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:表参道/原宿エリアで、休日に「ちょっとおしゃれで特別な体験をしたい」と思っている20代女性。
前提USP:「休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験」。
この前提で、AIDMA(A/I/D/M/A)各段階について
- 顧客の心理(1行)
- 伝えるべきメッセージ(USP/RTBのどちらかを明記)
- 次の段階へ進ませる行動(CTA)
を整理してください。
最後に、詰まりやすい段階を2つ挙げ、理由も添えてください。

② オンラインストア:AISASで「買い逃し不安」を潰す

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:
- コラボ商品を買い逃したくない
- 正規ルートで安心して買いたい
- 作品理解・作品愛(デザイン)が重要
前提USP:「作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ」。
AISAS(A/I/S/A/S)各段階で
- USPを出す場所
- RTBで不安を潰す場所(特にSearch)
- 必要な情報項目(例:販売期間、受注、発送目安、FAQ等)
を箇条書きで提案してください。

③ ユウセイ堂:AISASで「合致不安」「届く不安」を分けて潰す

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:
- モールで検索・比較して、早く確実に買いたい
- 探している商品と合致しているか不安
- 期待した商品が届くのか不安
前提USP:「合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”」。
AISASの各段階で
- 合致不安を潰すRTB(仕様・型番・対応条件など)
- 届く不安を潰すRTB(検品・梱包・配送・対応など)
を分けて整理し、どの段階に置くべきか提案してください。

④ 3チャネル横断:どの段階が「共通」か、どこが「分岐」か

文房具カフェ(店舗)/オンラインストア(自社EC)/ユウセイ堂(モール)について、
AIDMA/AISASの観点で「共通の段階」と「チャネル固有の段階」を整理してください。
また、各チャネルで最も重要な段階を1つずつ選び、理由も説明してください。

⑤ 理解チェック:AIDMA/AISASのクイズ

今日のテーマ「AIDMA/AISAS」について理解チェック問題を5問作ってください。
形式:○×2問、選択式2問、短答1問。解答と解説付き。
例は、文房具カフェ/オンラインストア/ユウセイ堂から必ず入れてください。

9. 理解チェック(3問・5分)

  1. AIDMAとAISASの違いは何?(一言で)
  2. AISASのSearch段階が弱いと、どんな問題が起きやすい?
  3. Shareを設計するとは、具体的に何を“設計”すること?

10. 今日のまとめ(3行)

  • AIDMA/AISASは、施策を「顧客の行動の流れ」に並べ直し、導線の詰まりを特定するための枠組み。
  • USPは早めに、RTBは主にSearch/Action前で効くことが多い(不安を潰して前に進める)。
  • 御社は、店舗=体験の魅力、オンライン=買い逃し不安、モール=合致不安と届く不安、という形で「詰まりやすい段階」が異なるため、段階別に施策を置くと改善が進みやすい。

次回予告(第7回)

次回は カスタマージャーニーマップ に進みます。
第6回で段階(AIDMA/AISAS)を理解した上で、
実際の接点(SNS、商品ページ、予約、店頭、配送、問い合わせ等)と感情(不安・期待・満足)を可視化し、改善点をより具体に特定します。

上部へスクロール