コース内容
Marketing Basic Lecture
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東光ブロズのマーケティングベーシックレクチャー

第7回カリキュラム(ver1.0)

カスタマージャーニーマップ:接点・感情・不安(障壁)を可視化し、改善点を「どこで何を直すか」まで落とす
(文房具カフェ/文房具カフェオンラインストア/ユウセイ堂の例)

第7回は、第6回で扱ったAIDMA/AISAS(段階)を、さらに具体化します。
接点(どこで)× 感情(どう感じる)× 障壁(不安/手間)まで落として、改善を「どの接点で、何を、どう直すか」の粒度にします。

所要時間
30〜45分(読む15〜20分+ChatGPTで確認10〜15分+理解チェック5分)

※重いワーク(資料作り・提出)は不要。「読む→短く確認→理解を固める」が目的です。

0. まず第6回(AIDMA / AISAS)の要点を簡単に復習(3分)

第6回では、4Pで作った施策を「お客様の行動の流れ」に沿って並べ直すために AIDMA/AISAS を使いました。

  • AIDMA:Attention → Interest → Desire → Memory → Action
  • AISAS:Attention → Interest → Search → Action → Share

重要ポイント:

  • USPは早めに(Attention/Interestで入口として)
  • RTBは主にSearch〜Action前(不安を潰して前に進める)
  • “詰まり”がどの段階にあるかを当てられると改善が進む

ただし、段階(AIDMA/AISAS)だけだと、次がまだ曖昧になります。

  • その段階で、お客様は 具体的にどの接点(SNS/予約/商品ページ/店頭/配送など) に触れているのか
  • その接点で、お客様の 気持ち(期待・不安・迷い・満足) がどう動いているのか
  • どの接点で、どんな不安が生まれ、どこで解消されるべきか

この回でやること

行動段階をさらに具体化して、改善点を“接点単位”で特定します。

1. 今日のゴール(この回でできるようになること)

  1. カスタマージャーニーマップ(CJM)が何のための道具かを説明できる
  2. 御社3チャネル(店舗/自社EC/モール)で、CJMの見え方がどう変わるか理解できる
  3. CJMを使って、改善点を 「どの接点で、何を、どう直すか」 の粒度で言語化できる(仮説でOK)

この回のキーメッセージ

  • AIDMA/AISAS=「段階(流れ)」
  • CJM=段階を「接点×感情×障壁」まで落とす
  • 不安(障壁)が生まれる接点を特定できると、改善が具体化する

今日のアウトプット(軽量版)

  • 段階(AIDMA/AISAS)を置く
  • 各段階の接点を並べる
  • 接点ごとに感情・障壁を書く
  • 改善案を「接点単位」で決める

2. カスタマージャーニーマップとは何か:段階から「接点」と「感情」に落とす

カスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map)は、ひと言でいうと次の道具です。

定義(この回の言い方)

お客様が目的を達成するまでの道のりを、行動(段階)×接点(タッチポイント)×感情(不安/期待/満足)で見える化するもの

AIDMA/AISASが「段階(流れ)の型」だとすると、CJMはその段階を

  • どこで(接点)
  • 何を見て・何をして(行動)
  • どう感じて(感情)
  • 何が障壁で(不安/手間)
  • 何が必要か(情報/体験/根拠)

まで落とすためのフレームです。


3. どの順序で考えるか:第6回 → 第7回のつなぎ方(実務手順)

おすすめは次の 5ステップです。

Step 0:前提を固定(ターゲット・USP・RTB)

誰に、何を約束し、何で信じてもらうか(第4回)を固定します。

Step 1:段階を置く(AIDMAまたはAISAS)

店舗寄りはAIDMA、EC/モール寄りはAISASが見やすい、を基本に置きます。

Step 2:各段階の「接点」を並べる

例:SNS、検索結果、商品ページ、予約ページ、店頭、配送、問い合わせ、レビュー など。

Step 3:接点ごとに「感情」と「障壁」を書く

  • 感情:期待/迷い/不安/納得/満足
  • 障壁:手間、情報不足、誤解、正規性不安、合致不安、混雑不安、配送不安 など

Step 4:改善点を“接点単位”で決める

  • その接点で USPを出すべきか
  • RTB(根拠)を足すべきか
  • 4Pのどれを直すべきか(Product/Place/Price/Promotion)

4. 学ぶ意欲が上がる「成功事例」:CJMが効く典型パターン(ミニケース3つ)

※「この企業がCJMを使ったと公言」よりも、CJMが効く場面を分解して理解するための例です。

ミニケース① ECで「見られているのに買われない」

  • 段階(AISAS):Search→Actionが詰まっている
  • CJMで見ると:商品ページの接点で「不安(合ってる?届く?条件は?)」が残り、離脱している

学び

CJMは“どの接点で不安が残っているか”を特定しやすい。

ミニケース② 店舗で「気になるのに来店しない」

  • 段階(AIDMA):Interest/Desire→Actionが詰まっている
  • CJMで見ると:予約・混雑・アクセス・価格の不安が、来店直前に増えている

学び

来店の“最後の一押し”は、体験よりも「不安除去」になっていることが多い。

ミニケース③ 「買った後」の満足が次の集客に繋がらない

  • 段階(AISAS):Shareが弱い
  • CJMで見ると:開封・利用後の接点で「語れる材料」や「投稿導線」が不足している

学び

Shareは偶然任せにせず、体験と導線で設計できる。


5. 御社の前提(ターゲット・約束)をもう一度確認

第7回も前提は固定します(第4〜6回と同じ)。

① 文房具カフェ(実店舗)

  • ターゲット:表参道/原宿エリアで、休日に「ちょっとおしゃれで特別な体験をしたい」と思っている20代女性
  • USP(例):休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験
  • RTB(例):体験導線/空間品質/企画性

② 文房具カフェオンラインストア(自社EC)

  • ターゲット:買い逃し回避/正規ルートの安心 + 作品理解・作品愛(デザイン)重視
  • USP(例):作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ
  • RTB(例):企画背景説明/デザインの見せ方/販売条件や発送目安の明確さ

③ ユウセイ堂(モール型)

  • ターゲット:検索・比較で早く確実に買いたい + 合致・期待通りに届く不安なく満足したい
  • USP(例):合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”
  • RTB(例):型番・仕様の明確さ/誤認防止の表現/運用品質(検品・梱包・対応)

6. 御社の例:CJMを“読むだけで作れる形”で見る(仮説テンプレ付き)

ここは理解を助けるための 仮説例です。
CJMは「完璧な一枚」より、仮説で作って→現場で検証して→更新する方が実務で回ります。

この章の見方(テンプレ)

それぞれの段階ごとに、接点 → 感情 → 障壁 → 改善(USP/RTB/4P) の順で並べています。
Tutor LMSで表が崩れやすい場合があるため、表ではなく「ブロック」で同じ情報を整理しています。

6-A. 文房具カフェ(実店舗)CJM(AIDMA寄り)

目的(お客様のゴール):休日に、表参道/原宿で「おしゃれで特別」な体験をして満足する

USP:休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験

Attention(知る)

  • 主な接点(例):Instagram/TikTok、友人の投稿、Web記事
  • 感情(例):「気になる」
  • 障壁(不安・手間):どんな店か分からない
  • 改善の方向USPを短く(特別体験)+写真で雰囲気(Promotion)

Interest(調べる・検討する)

  • 主な接点(例):公式サイト、Googleマップ、メニュー/イベント情報
  • 感情(例):「行ってみたい」
  • 障壁(不安・手間):料金・所要時間・混雑が不明
  • 改善の方向RTB:料金体系/所要時間/混雑目安(Price/Place)

Desire(予定に入れたい)

  • 主な接点(例):予約ページ、アクセス案内、当日の流れ
  • 感情(例):「予定に入れたい」
  • 障壁(不安・手間):予約が面倒/失敗したくない
  • 改善の方向RTB:予約手順、注意点、当日の流れ(Place/Communication)

Memory(思い出す/当日までの期待)

  • 主な接点(例):予約確認、リマインド、次回企画
  • 感情(例):「楽しみ」
  • 障壁(不安・手間):行き方・当日段取りが不安
  • 改善の方向:リマインドの質(Communication)+企画更新(Product/Promotion)

Action(来店・体験)

  • 主な接点(例):来店、店内体験、会計
  • 感情(例):「満足したい」
  • 障壁(不安・手間):待ち/導線/注文が分かりにくい
  • 改善の方向:体験導線の磨き込み(Product/Place)+スタッフ説明(Communication)

After(共有・再来店検討)

  • 主な接点(例):写真投稿、友人に共有、再来店検討
  • 感情(例):「共有したい」
  • 障壁(不安・手間):何を投稿すれば良いか分からない
  • 改善の方向:投稿しやすいポイント提示(Promotion)+体験設計(Product)

“効きやすい改善”の当たり(仮説)

Interest→Desire、Desire→Action
→ 休日の予定に入れる直前に「混雑/予約/料金/所要時間」の不安が出やすい。

 

6-B. 文房具カフェオンラインストア(自社EC)CJM(AISAS)

目的:買い逃しなく、正規ルートの安心のもと、作品理解・作品愛が感じられるデザインのコラボ商品を購入して満足する

USP:作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ

Attention(知る)

  • 接点:公式SNS、作品ファンの拡散、告知画像
  • 感情:「良さそう」
  • 障壁:情報が断片的
  • 改善:USPの入口(作品愛×安心)を一言で(Promotion)

Interest(気になる)

  • 接点:商品一覧、特集ページ、ビジュアル
  • 感情:「欲しい」
  • 障壁:どこが良いか伝わりにくい
  • 改善RTB:デザイン意図/こだわりを短く(Product/Communication)

Search(比較・確認)

  • 接点:商品詳細、FAQ、販売条件、発送目安
  • 感情:「本当に大丈夫?」
  • 障壁:買い逃し不安/正規性不安/条件が複雑
  • 改善RTB強化:期間/受注/発送/注意事項を整理(Place/Price/Communication)

Action(購入)

  • 接点:カート、決済、確認メール
  • 感情:「間違えたくない」
  • 障壁:総額・送料・締切の見落とし
  • 改善:重要情報の再提示(Price/Place)+購入導線の簡潔化

Share(共有)

  • 接点:開封、SNS投稿、レビュー
  • 感情:「共有したい」
  • 障壁:語れる材料が不足
  • 改善:企画背景・投稿例・タグ(Promotion)+開封体験(Product)

“効きやすい改善”の当たり(仮説)

Search→Action
→ 「安心」「買い逃し回避」は、SearchでのRTBが薄いと一気に失速する。

6-C. ユウセイ堂(モール型)CJM(AISAS)

目的:探している商品と合致していると確信し、期待通りに届く安心のもとで、早く満足して購入する

USP:合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”

Attention(見つける)

  • 接点:モール検索結果、ランキング、サムネ
  • 感情:「候補に入る」
  • 障壁:一見で違いが分からない
  • 改善:USP入口(合致/届く)を見出しで(Promotion)

Interest(確認したい)

  • 接点:商品ページ冒頭、要点サマリ
  • 感情:「確認したい」
  • 障壁:何を見れば判断できるか不明
  • 改善:“合致判断の要点”を先に提示(Product/Communication)

Search(合致の確信)

  • 接点:仕様/型番/対応、比較表、Q&A
  • 感情:「合っているか?」
  • 障壁:合致不安/買い間違い不安
  • 改善RTB:仕様・対応条件・比較軸を明確化(Product)

Action(購入)

  • 接点:購入、配送条件、返品/交換
  • 感情:「届くか?」
  • 障壁:期待通りに届く不安
  • 改善RTB:配送・検品・梱包・対応方針を明示(Place/Communication)

Share(レビュー・再購入)

  • 接点:レビュー、再購入
  • 感情:「良ければ評価」
  • 障壁:問題発生時の不安
  • 改善:対応品質・案内の明確さ(Communication)

“効きやすい改善”の当たり(仮説)

Search→Action
→ 「合致の確信」+「届く安心」が揃って初めて購入されやすい。


7. よくある失敗(CJMで起きがちなこと)

  • 段階だけで終わる:接点(どこで)と感情(どう感じる)がないと改善が具体化しない
  • RTBが“後出し”になる:不安が出る前/出た直後の接点に置けていない
  • 担当部署ごとに部分最適:SNSは頑張るが商品ページが弱い、など導線の断絶が起きる
  • 改善が抽象のまま:「分かりやすくする」ではなく、どの情報をどこに置くかまで落とす必要がある

8. ChatGPTへの質問例(この回は合計5つ)

使い方:まずは ①〜③(担当に近いもの1つ)だけでOK。余裕があれば④⑤。
※枠内をドラッグ選択してコピーしてください(折り返し設定済み)。

① 文房具カフェ:実店舗CJMを作る(AIDMA+接点・感情)

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:表参道/原宿エリアで、休日に「ちょっとおしゃれで特別な体験をしたい」と思っている20代女性。
前提USP:「休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験」。
AIDMAの各段階について、
- 主要接点(2〜4個)
- 顧客の感情(期待/不安/迷い/満足のいずれかで1行)
- 障壁(不安・手間)を2つ
- 改善案(USPを出す/RTBを置く/4Pのどれを直すか)
を表形式で作ってください。

② オンラインストア:Search→Actionの不安を分解してCJM化

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:
- コラボ商品を買い逃したくない
- 正規ルートで安心して買いたい
- 作品理解・作品愛(デザイン)が重要
前提USP:「作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ」。
AISASの各段階について、
- 接点
- 顧客の不安(買い逃し/正規性/条件/発送など)
- 不安を潰すRTB(情報項目)
- そのRTBを置くべき場所(ページ上の位置も含めて)
を整理してください。

③ ユウセイ堂:合致不安と届く不安を分けてCJM化

あなたは社内マーケ講師です。
前提ターゲット:
- モールで検索・比較して、早く確実に買いたい
- 探している商品と合致しているか不安
- 期待した商品が届くのか不安
前提USP:「合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”」。
AISASの各段階について、
- 接点
- 合致不安を潰すRTB(仕様・型番・対応条件・比較)
- 届く不安を潰すRTB(検品・梱包・配送・対応)
を分けて表形式で作り、最重要の改善接点を2つ選んで理由も書いてください。

④ 3チャネル横断:共通の障壁とチャネル固有の障壁を抽出

文房具カフェ(店舗)/オンラインストア(自社EC)/ユウセイ堂(モール)について、
CJMの観点で「共通して出やすい不安(障壁)」と「チャネル固有の不安」を整理してください。
さらに、各チャネルで最も効果が出やすい改善接点を1つずつ選び、何を改善すべきか提案してください。

⑤ 理解チェック:CJMのクイズ

今日のテーマ「カスタマージャーニーマップ」について理解チェック問題を5問作ってください。
形式:○×2問、選択式2問、短答1問。解答と解説付き。
例は、文房具カフェ/オンラインストア/ユウセイ堂から必ず入れてください。

9. 理解チェック(3問・5分)

  1. AIDMA/AISASと、カスタマージャーニーマップの違いは何?
  2. CJMで「感情」と「障壁」を書く理由は?
  3. CJMの改善案で、USPとRTBはどの段階(接点)に置くことが多い?

10. 今日のまとめ(3行)

  • CJMは、AIDMA/AISASの段階を「接点」と「感情/障壁」に落とし、改善点を接点単位で特定する道具。
  • 改善の基本は、不安(障壁)が生まれる接点にRTBを置き、前に進む導線を整えること。
  • 御社は、店舗=来店直前の不安、オンライン=買い逃し/正規性不安、モール=合致不安と届く不安、が強いテーマになりやすいため、CJMで接点ごとに潰すと効果が出やすい。

次回予告(第8回)

次回は KPI設計(KPIツリー) に進みます。
第7回で見つけた「詰まりの接点」を、数字で追える形(指標)に変換し、
改善が前に進んでいるかを定量で確認できるようにします。

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