L03:プロンプト設計 応用(例示・条件分岐・採点基準)
本レッスンでは、「ブレる出力」をプロンプト設計で抑え、さらに検証まで織り込むための応用技術を扱います。
「例示(Few-shot)」「ロール(役割)」「不足情報のヒアリング(質問)」「条件分岐」「採点基準(ルーブリック)」を組み合わせ、
属人化しやすい依頼を再現性のある運用に変換します。
このページの使い方
1レッスン=1LP(1ページ)です。上から順に当日の時間割に沿って進めてください。
各項目の冒頭に EC事業部/文房具カフェ事業部・準備室 の実施時間を併記しています。
このレッスンの狙い(到達状態)
- 例示あり/なしで出力差を比較し、改善点を言語化できる
- ロール(役割)設定あり/なしで出力差を比較し、改善点を言語化できる
- 不足情報の質問(ヒアリング)を組み込んだプロンプトを作成し、確認→実行の流れを設計できる
- 条件分岐(if/then)を使い、例外やケース別の出力を安定させられる
- 採点基準(ルーブリック)を作り、出力をレビューしやすい形にできる
- EC/文房具カフェ/準備室で、部内共有したい「プロンプト術」を最低1つ作り、考え方をシェアできる
受講ルール(共通)
- 実データ禁止:実際の顧客情報、実注文情報、実契約条件、未公開企画の具体情報などは入力しない(このページのダミーのみ使用)
- “そのまま貼る”禁止:生成AIの出力を未検証のまま対外文面・決裁資料に貼らない(訓練は「設計→比較→改善→検証」の練習)
- 迷ったら止める:入力に不安がある場合は匿名化・抽象化・要点化を優先し、それでも不安なら相談観点(情報管理/契約取引/権利IP/対外表現)で質問に回す
- 相互レビュー2件以上:前日までの他者成果物に2件以上コメントする(レビュー観点は本ページのテンプレを使用)
今日の成果物(提出物:最小セット)
- 比較ログ①:例示あり/なし(同一タスクで2プロンプト+出力差+改善点)
- 比較ログ②:ロールあり/なし(同一タスクで2プロンプト+出力差+改善点)
- ヒアリング内蔵プロンプト(1本):不足情報があれば質問→揃ったら実行
- 条件分岐プロンプト(1本):ケース別(例外含む)に出力を分ける
- 採点基準(ルーブリック):自部門で使える評価軸(5〜7項目)
- 部内共有用「プロンプト術」:最低1つ(テンプレ化・再利用前提)
- 質問・所感(投稿):質問1つ以上+気づき
プロンプト設計 応用:結論(何がブレを抑えるか)
1) 例示(Few-shot):欲しい出力を見せる
- 「こんな感じ」を文章で説明するより、例を見せる方が強い
- 例示は「内容」よりも構造(見出し・粒度・トーン・禁止事項)を示すのが効く
- 例示は1つでも効くが、できれば「良い例+悪い例(NG例)」が強い
2) ロール(役割):判断軸を固定する
- 「あなたは〇〇の専門家」=優先順位と判断基準が揃いやすい
- ロールは盛りすぎない(職種・責務・制約を短く)
3) 不足情報ヒアリング:質問を組み込む
- 「必要情報が足りないときは質問してから進める」を明記する
- 質問数は最大3つなど上限を決め、作業が止まらないようにする
4) 条件分岐:ケース別に出力を分ける
- 「もしAなら…/もしBなら…」を先に固定するとブレが減る
- 例外(エスカレーション・保留・確認)を分岐として書くと運用が回る
5) 採点基準(ルーブリック):検証しやすくする
- 「良い/悪い」を感覚にせず、評価軸で揃える
- 点数化は任意(小テストはしない)。相互レビューはルーブリックに沿って行う
応用テンプレ(コピペ用)
A) 例示+ロール+ルーブリック(統合テンプレ)
【L03 統合テンプレ:例示+ロール+採点基準】
前提(安全):
- 教育訓練用のダミー。実在の個人・企業・契約条件・未公開情報は含めません。
- 個人情報/契約条件/未公開情報/認証情報を推測・補完しないでください。
ロール(役割):
- あなたは(例:EC運営の業務改善担当/対外文面の品質管理担当/企画書レビュー担当)です。
- 優先順位:安全・炎上回避 > 事実と推測の分離 > 分かりやすさ > 速度
目的:
- (例:一次返信文を、丁寧で誤解がなく、次アクションが明確な形に整える)
入力(ダミー/要点):
- 状況:
- 制約:
- 不明点:
出力形式:
- ①成果物(指定形式)
- ②セルフチェック(ルーブリックに沿って○×)
- ③不足情報があれば質問(最大3つ)
例示(良い例/悪い例):
- 良い例:〈ここに出力の形だけを示す〉
- 悪い例:〈断定/煽り/不足/長すぎ等のNGを示す〉
採点基準(ルーブリック):
- 各項目をA(良い)/B(概ねOK)/C(要改善)で自己評価し、その理由を1行で書く
- 項目は5〜7個に限定
B) 不足情報ヒアリング内蔵(質問→揃ったら実行)
【L03 ヒアリング内蔵テンプレ】
前提(安全):
- 教育訓練用のダミー。実在情報は含めない。推測で補完しない。
目的:
- (例:手順書を新人でも回せる形にする)
進め方:
1) まず、作業に必要な不足情報を質問してください(最大3つ)
2) 私が回答したら、その回答を前提に成果物を作成してください
3) それでも不明が残る場合は「不明」と明記し、断定しないでください
出力形式:
- ①成果物
- ②前提(確定情報/不明情報の分離)
- ③注意点(リスク・例外)
- ④次の確認事項(あれば)
C) 条件分岐テンプレ(if/then)
【L03 条件分岐テンプレ】
前提(安全):
- 教育訓練用のダミー。実在情報なし。推測で補完しない。
目的:
- (例:問い合わせ対応をカテゴリ別に標準化する)
条件分岐(例):
- もし「配送遅延」なら:Aパターン
- もし「初期不良」なら:Bパターン
- もし「返品希望」なら:Cパターン
- もし情報不足なら:質問(最大3つ)→回答待ち
- もし規約/権利/契約に触れそうなら:要相談(相談観点を示す)
出力形式:
- 表形式(列:ケース/一次対応文/確認事項/注意点/次アクション)
本日の流れ(タイムライン)
目次(クリックで移動)
- 出席・当日選択カリキュラムの内容確認
- 時間差相互評価(2件以上コメント)
- 休憩
- 受領レビュー確認・改善方針メモ
- L03 レクチャー本編(講師説明・質疑込み)
- 昼休憩
- 個人演習①:例示/ロール比較(2本)
- 休憩
- 個人演習②:ヒアリング+条件分岐+ルーブリック+共有術
- 休憩
- 復習:提出物の整形(共有できる形に)
- 質問・コメント・感想の提出(投稿)
1) 出席・当日選択カリキュラムの内容確認
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 08:30–09:10 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 10:00–10:40 |
この時間にやること
- 今日の成果物(比較ログ2本+ヒアリング+条件分岐+ルーブリック+共有術)を確認
- 下の「ダミータスク一覧」から、今日の比較実験に使うタスクを1つ選ぶ
- 自分の注意点(安全・断定回避・対外トーン)を1行で書く
セルフ棚卸し(コピペ用)
【L03 セルフ棚卸し】
1) 今日の比較実験に使うタスク(ID):
-
2) 自分の現場で「出力がブレる原因」になりがちな要素(2つ):
-
-
3) 今日の自分の目標(1行):
-
2) 時間差相互評価(前日までの他者成果物に2件以上コメント)
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 09:10–10:00 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 10:40–11:30 |
レビュー観点(固定:L03)
- 例示が「内容」ではなく構造(粒度・見出し・トーン)を示せているか
- ロールが適切か(盛りすぎず、判断軸が固定されているか)
- 不足情報の質問があるか(最大3つなど上限があるか)
- 条件分岐があるか(例外・保留・要相談が分岐として書けているか)
- ルーブリックがあるか(評価軸が5〜7個で、レビューしやすいか)
コメントテンプレ(コピペ用)
【L03 相互レビューコメント】
対象:(相手の成果物タイトル/日付など)
1) 良い点(1つ):
-
2) 例示(Few-shot)は効いてる?
- 効いている/弱い/無い
- 改善案(例示は構造中心に):
3) ロール(役割)は適切?
- 適切/盛りすぎ/弱い/無い
- 改善案:
4) ヒアリング(質問)はある?
- ある(最大___問)/無い
- 改善案(不足情報の優先順位):
5) 条件分岐はある?
- ある/無い
- 改善案(例外・保留・要相談の分岐):
6) ルーブリックはある?
- ある(___項目)/無い
- 改善案(5〜7項目に絞る):
7) 次に試すと良い「一手」(1つ):
-
3) 休憩
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 10:00–10:15 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 11:30–11:45 |
休憩:学習作業なし
4) 自分への受領レビュー確認・改善方針メモ(講師レビュー含む)
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 10:15–10:45 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 11:45–12:15 |
改善方針メモ(コピペ用)
【L03 改善方針メモ】
受領した指摘の要点(最大3つ):
1)
2)
3)
直す理由(ブレ/検証しにくい/再利用しにくい 等):
-
直し方(どの要素を足す?):
- 例示:
- ロール:
- ヒアリング:
- 条件分岐:
- ルーブリック:
今日の自分の最優先ルール(1行):
-
5) 当日選択カリキュラム実施:L03レクチャー本編(講師説明・質疑込み)
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 10:45–12:00 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 12:15–13:30 |
ここからが「読む/聞く」パート
講師の口頭説明・質疑応答を挟みながら進めます。
午後の演習は「例示比較」「ロール比較」「ヒアリング+条件分岐」「ルーブリック」「部内共有術」です。
5-1. なぜ出力がブレるのか(要点)
- LLMは確率的に生成するため、曖昧な依頼ほど解釈の自由度が大きくなりブレる
- ブレは「悪」ではないが、業務運用では再現性が必要
- 再現性は、例示・ロール・条件分岐・採点基準で設計できる
5-2. 例示の作り方(コツ)
- 例示は「正解の内容」よりも「構造」を示す(見出し・粒度・禁止事項・トーン)
- 例示が長くなる場合は「短い良い例」を1つだけ入れる
- 可能ならNG例も1つ(断定・煽り・情報不足など)
5-3. ロールの作り方(コツ)
- ロール=職種+責務+優先順位(短く)
- 「何を守るか」を明記(安全・断定回避・対外トーンなど)
5-4. ヒアリングの組み込み方(コツ)
- 質問は最大3つ(優先順位が高い順)
- 回答がない場合の扱い(保留/不明と明記/一般論で出す)を決める
5-5. 条件分岐の書き方(コツ)
- よくあるケース分類を先に書く(A/B/C)
- 例外(要相談、保留、確認待ち)も分岐にする
5-6. ルーブリックの作り方(コツ)
- 5〜7項目に絞る(多いと運用できない)
- 「断定回避」「事実/推測分離」「次アクション明確」「トーン」「抜け漏れ」など
- 点数化は任意。A/B/C評価でもよい(相互レビューの軸が揃えばOK)
6) 昼休憩
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 12:00–13:00 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 13:30–14:30 |
昼休憩:学習作業なし
ダミータスク一覧(今日の比較実験に使う)
以下から1つ選び、例示比較/ロール比較/ヒアリング+条件分岐に使ってください(すべてダミー)。
【EC向け】
- EC-T01(易):商品説明文の改善(ダミー商品:特徴3つ+注意書きあり)
- EC-T02(中):一次返信文(配送遅延:追跡はあるが詳細不明。断定せず確認を促す)
- EC-T03(難):在庫過多カテゴリの改善案(値引き最小・回転改善。提案は表でメリデメ比較)
【文房具カフェ向け】
- CF-T01(易):SNS投稿文(季節限定ドリンク。炎上回避・誇大表現回避)
- CF-T02(中):メニュー改善案(原価率を上げない/回転を落とさない制約つき)
- CF-T03(難):クレーム一次対応(提供遅延+不快体験。事実確認・謝罪・再発防止の言い方)
【準備室向け】
- PR-T01(易):企画書の目次構成(ターゲット/価値/導線/収益の章立て)
- PR-T02(中):告知LPの構成改善(固有名詞は伏せる。注意書き・導線を明確に)
- PR-T03(難):提案書の骨子(権利・未公開に配慮。前提分離+リスク/ToDo整理)
7) 個人演習①:例示あり/なし・ロールあり/なし(比較2本)
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 13:00–14:30 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 14:30–16:00 |
演習①のやり方
- 選んだタスクIDで、まず「ベース(例示なし/ロールなし)」プロンプトを作って実行する
- 同じタスクで、例示ありにしたプロンプトを作って実行し、差分を比較する(比較ログ①)
- 同じタスクで、ロールありにしたプロンプトを作って実行し、差分を比較する(比較ログ②)
- 差分を「何が改善されたか/何が悪化したか」を言語化する
比較ログ(2本分:コピペ用)
【L03 比較ログ①:例示あり/なし】
タスクID:
-
A(例示なし)プロンプト:
-
Aの出力(要約で可):
-
B(例示あり)プロンプト:
- (良い例/悪い例は“構造”中心に)
Bの出力(要約で可):
-
差分(良くなった点):
-
差分(悪くなった/注意点):
-
次の改善(1手):
-
【L03 比較ログ②:ロールあり/なし】
タスクID:
-
A(ロールなし)プロンプト:
-
Aの出力(要約で可):
-
B(ロールあり)プロンプト:
- (職種+責務+優先順位を短く)
Bの出力(要約で可):
-
差分(良くなった点):
-
差分(悪くなった/注意点):
-
次の改善(1手):
-
8) 休憩
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 14:30–14:45 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 16:00–16:15 |
休憩:学習作業なし
9) 個人演習②:不足情報ヒアリング+条件分岐+ルーブリック+部内共有術
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 14:45–15:45 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 16:15–17:15 |
演習②-1:ヒアリング内蔵プロンプト(1本)
選んだタスクを対象に、まず質問(最大3つ)→回答後に作成、の流れを組み込みます。
演習②-2:条件分岐プロンプト(1本)
ケース分類(A/B/C)+例外(情報不足/要相談)を分岐として書き、表で出力させます。
演習②-3:採点基準(ルーブリック)を作る(5〜7項目)
自部門でレビューしやすい評価軸を作ります(点数化は任意。A/B/CでもOK)。
演習②-4:部内共有用「プロンプト術」1つを作る
今日の学び(例示/ロール/ヒアリング/条件分岐/ルーブリック)のうち、部内で共有したい“使える型”を最低1つ作り、テンプレ化します。
提出用フォーマット(コピペ用)
【L03 提出物(演習②)】
(1) ヒアリング内蔵プロンプト(最終):
-
(2) 条件分岐プロンプト(最終):
-
(3) ルーブリック(5〜7項目):
- 1)
- 2)
- 3)
- 4)
- 5)
- (必要なら6,7)
(4) 部内共有用「プロンプト術」(テンプレ):
- テンプレ名:
- 使う場面(誰が何に使う):
- プロンプト本文:
- 変数(差し替え項目):
- 注意点(安全/断定回避/対外トーン):
- 使い方(3ステップ):
10) 休憩
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 15:45–16:00 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 17:15–17:30 |
休憩:学習作業なし
11) 復習:提出物の整形(共有できる形に)
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 16:00–16:30 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 17:30–18:00 |
最終チェック(コピペ用)
【L03 最終チェック】
- 比較ログ①(例示あり/なし)が完成:差分が言語化できている
- 比較ログ②(ロールあり/なし)が完成:差分が言語化できている
- ヒアリング内蔵プロンプトがある(質問は最大3つ、回答後に作成する流れ)
- 条件分岐プロンプトがある(A/B/C+例外:情報不足/要相談)
- ルーブリックが5〜7項目で作れている(レビューしやすい)
- 部内共有用「プロンプト術」がテンプレ化できている(変数が明確)
- 実データを使っていない(ダミーのみ)
12) 講師への質問・コメント・感想の提出(指定スレッド)
【実施時間】
| 対象 | 時間 |
|---|---|
| EC事業部 | 16:30–17:00 |
| 文房具カフェ事業部/準備室 | 18:00–18:30 |
提出先(参考)
EC事業部・文房具カフェ事業部:ChatWork の指定スレッド/準備室:Slack の指定スレッド
提出テンプレ(コピペ用)
【L03 提出(本人レポート)】
1) 今日の学習内容(要約:3行)
-
-
-
2) 例示あり/なしで、最も差が出たポイント(1つ)
-
理由:
-
3) ロールあり/なしで、最も差が出たポイント(1つ)
-
理由:
-
4) ヒアリング(質問)で「先に聞くべきだ」と分かった項目(1つ)
-
理由:
-
5) 自分のルーブリック(5〜7項目)のうち、最重要だと思う項目(1つ)
-
理由:
-
6) 部内共有用「プロンプト術」テンプレ名
-
7) 質問(最低1つ)
-
(参考)このレッスンで特に守ること(まとめ)
- 例示・ロールで「判断軸」と「出力構造」を固定する
- 不足情報は質問(最大3つ)として先に回収し、断定を避ける
- 条件分岐で例外(保留・要相談)を運用に織り込む
- ルーブリックで検証しやすくし、相互レビューで学び合う