第6回カリキュラム(ver1.0)
AIDMA / AISAS:4Pで作った施策を「お客様の行動の流れ(導線)」に並べ直し、どこで何を伝え・不安を解消するかを決める
(文房具カフェ/文房具カフェオンラインストア/ユウセイ堂の例)
第6回は、第5回で揃えた4Pの施策を「点」ではなく「流れ」にします。
つまり、お客様の行動段階に沿って USPを言うタイミング と RTBで不安を潰すタイミング を決め、導線の詰まりを特定する回です。
0. まず第5回(4P/4C)の要点を簡単に復習(3分)
第5回では、第4回のUSP/RTBを「具体施策」に落とすために 4P/4C を使いました。
- 4P(設計図):Product / Price / Place / Promotion を漏れなく設計する
- 4C(点検表):Customer Value / Cost(不安・手間含む)/ Convenience / Communication で矛盾を見つける
- 実務の型:4Pで作る → 4Cで矛盾(不安・手間・分かりにくさ)を潰す
ただし、4Pで施策が揃っても、次の課題が残ります。
- 施策が“点”で散らばり、どの順に出すべきか(導線)が曖昧
- お客様の状況に合わせて、いつUSPを言い、いつRTBで不安を潰すかが決まっていない
- 「見られているのに買われない」「来店前に離脱」などの原因が、行動のどこにあるか掴みにくい
この回でやること
施策を「お客様の行動の流れ」に沿って整理し、詰まり(離脱)を見つけやすくします。
1. 今日のゴール(この回でできるようになること)
- AIDMAとAISASの違いを説明できる
- 4Pで作った施策を、AIDMA/AISASの各段階に割り当て(マッピング)できる
- 御社の3つ(文房具カフェ/オンラインストア/ユウセイ堂)で、
どの段階の改善が効きやすいかの当たりをつけられる(仮説でOK)
この回のキーメッセージ
- 4P=施策の「箱」、AIDMA/AISAS=顧客行動の「流れ」
- 箱(施策)を流れに並べると、弱い段階が見える
- USPは入口で強く、RTBはSearch/Action前で厚くが基本(例外あり)
今日のアウトプット(軽量版)
- 前提(ターゲット・USP・RTB)を固定
- AIDMA or AISAS を選ぶ(両方でもOK)
- 各段階で「言うこと」「不安を潰すこと」「次の行動」を決める
2. AIDMA / AISASとは何か:顧客行動を「段階」に分けて、導線の詰まりを特定する
AIDMAとAISASは、いずれも「お客様が購入に至るまでの行動の流れ」を段階で表す考え方です。
違いは、デジタル(検索・共有)をどれだけ前提に置くかです。
2-1. AIDMA(古典的モデル:認知→購買)
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動:購入・来店)
実務での使いどころ
- 店舗の「来店検討→来店」など、必ずしも検索・共有が中心でない導線
- “記憶(思い出す)”や“再来店”の文脈を扱いやすい

2-2. AISAS(デジタル時代モデル:検索・共有を含む)
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Action(行動:購入・来店)
- Share(共有)
実務での使いどころ
- 自社ECやモールのように、検索・比較・レビューが意思決定に直結する領域
- 購入後の「レビュー・投稿・拡散」が次の顧客獲得に効く領域

3. どの順序で考えるか:第5回 → 第6回のつなぎ方(実務手順)
おすすめは次の 4ステップです。
Step 0:前提(ターゲット・USP・RTB)を固定する(第4回の成果)
「誰に何を約束し、何で信じてもらうか」が曖昧だと、導線設計がブレます。
Step 1:AIDMAかAISASかを選ぶ(または両方で見る)
- 店舗中心ならAIDMAが見やすいことが多い
- EC/モール中心ならAISASが見やすいことが多い
※実務では、同じ事業でも両方で見て良いです(見落としが減る)。
Step 2:各段階で「言うべきこと」を決める
- どの段階で USP(約束) を出すか
- どの段階で RTB(根拠) を出して不安を潰すか
- どの段階で次の行動へ進ませるか(CTA:予約、購入、カート投入 等)
Step 3:4Pを段階に割り当て、詰まりを特定する
4Pは“施策の箱”、AIDMA/AISASは“流れ”。
箱(施策)を流れに並べると、「足りない段階」「弱い段階」が見えるようになります。
4. 学ぶ意欲が上がる「成功事例」:AISASで見ると、施策の配置が理解しやすい(ミニケース3つ)
※「この企業がAISASを使った」と公言したかよりも、AISASの観点で打ち手が分解できる例として示します。
ミニケース① D2C(例:美容・アパレル)
Searchを前提に“証拠”を用意してCVRを上げる
- Search:レビュー、成分/素材、FAQ、比較表、実績などが検索・比較材料になる
- Action:不安が潰れていれば購入へ進む
学び
Search段階の情報(RTB)が薄いと、Actionに進まない。
ミニケース② 旅行・飲食
Shareを設計して、次のAttentionを生む
- Share:写真映え、投稿したくなる体験、レビュー促進
学び
Shareを偶然任せにせず、体験(Product)側で設計する。
ミニケース③ Amazon的なEC体験
Search→Actionを最短化し、Cost(不安・手間)を削る
- Search:検索と比較がしやすい
- Action:配送・返品・レビューなどで不安が少ない
学び
ECでは「合っている」「届く」が決め手になりやすい(御社のユウセイ堂と親和性が高い)。
5. 御社の前提(ターゲット・約束)をもう一度確認
第6回は「導線」を扱うため、前提を固定します(第4回・第5回と同じ)。
① 文房具カフェ(実店舗)
- ターゲット:表参道/原宿エリアで、休日に「ちょっとおしゃれで特別な体験をしたい」と思っている20代女性
- USP(例):休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験
- RTB(例):体験導線/空間品質/企画性
② 文房具カフェオンラインストア(自社EC)
- ターゲット:買い逃し回避/正規ルートの安心 + 作品理解・作品愛(デザイン)重視
- USP(例):作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ
- RTB(例):企画背景説明/デザインの見せ方/販売条件や発送目安の明確さ
③ ユウセイ堂(モール型)
- ターゲット:検索・比較で早く確実に買いたい + 合致・期待通りに届く不安なく満足したい
- USP(例):合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”
- RTB(例):型番・仕様の明確さ/誤認防止の表現/運用品質(検品・梱包・対応)
6. 御社の例:AISAS(またはAIDMA)に、USP/RTBと4Pを配置して見る(仮説例)
ここは理解を助けるための 仮説例です。
実際には、現場の導線・実データ(離脱点、問い合わせ内容、レビュー等)に寄せるほど精度が上がります。
6-A. 文房具カフェ(実店舗)— AIDMA寄りで整理(必要に応じてSearch/Shareも補助)
前提USP:休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験
前提RTB:体験導線/空間品質/企画性
A(Attention:知る)
- 言うこと(USP):休日に合う「おしゃれで特別な体験」ができる
- 見せる根拠(RTB):写真(空間・体験)、イベント告知
- 4Pの対応:Promotion(SNS/発信)+Product(体験の見た目)
I(Interest:気になる)
- 言うこと:どんな体験ができるか(滞在イメージ、所要時間、何が特別か)
- 根拠:体験の流れ(簡潔な説明)、メニュー/体験内容
- 4Pの対応:Product(体験設計の説明)+Price(料金の分かりやすさ)
D(Desire:行きたい)
- 言うこと:「自分の休日に合う」と感じてもらう(友人と/一人で/写真)
- 根拠:利用シーンの提示、混雑/予約の安心材料
- 4Pの対応:Place(予約・来店導線)+Product(シーン設計)
M(Memory:思い出す)
- 言うこと:「次はこの企画で行きたい」と思わせる
- 根拠:次回企画・季節企画、会員/リピート導線
- 4Pの対応:Promotion(継続発信)+Product(企画性)
A(Action:予約/来店)
- 言うこと:予約・当日の流れが簡単で安心
- 根拠:予約方法、料金、アクセス、注意点
- 4Pの対応:Place(導線)+Price(条件明確化)+Communication(説明)
詰まりやすいポイント(仮説)
I→D(気になるが「行く理由」が弱い)、D→A(予約が面倒/不安)
6-B. 文房具カフェオンラインストア(自社EC)— AISASで整理
前提USP:作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ
前提RTB:企画背景説明/デザイン提示/条件明確さ
A(Attention:知る)
- 言うこと(USPの入口):「作品理解がある」「デザインが良い」
- 根拠(RTBの入口):キービジュアル、代表カット、コラボの意図一言
- 4Pの対応:Promotion(告知)+Product(デザイン)
I(Interest:気になる)
- 言うこと:どこが“作品理解・作品愛”なのか、何が良いのか
- 根拠:ディテール画像、企画背景(短く)、利用シーン
- 4Pの対応:Product(情報設計)+Promotion(説明)
S(Search:検索・比較)
- 言うこと:安心して買える(正規/条件明確)
- 根拠(RTBの中心):販売期間、受注条件、発送目安、FAQ、注意事項、比較情報
- 4Pの対応:Place(EC導線)+Price(条件/送料)+Communication(FAQ)
A(Action:購入)
- 言うこと:迷わず買える(締切/在庫/決済が明確)
- 根拠:カート周り、決済、配送、問い合わせ導線
- 4Pの対応:Place(購入導線)+Price(総額の明確さ)
S(Share:共有)
- 言うこと:共有したくなる要素(背景、開封体験)
- 根拠:開封写真、投稿例、ハッシュタグ、ストーリー
- 4Pの対応:Product(体験)+Promotion(共有導線)
詰まりやすいポイント(仮説)
S→A(検索・比較で不安が残り購入に進まない) → RTB(条件・FAQ・正規性・説明)の厚みが効く
6-C. ユウセイ堂(モール型)— AISASで整理
前提USP:合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”
前提RTB:型番/仕様明確/誤認防止/運用品質
A(Attention:知る)
- 言うこと(USPの入口):安心して買える(合う・届く)
- 根拠:タイトル/画像の分かりやすさ(第一印象で誤認を減らす)
- 4Pの対応:Promotion(モール内露出)+Product(情報の見せ方)
I(Interest:気になる)
- 言うこと:何が安心か(合致・届く)
- 根拠:要点(対応条件、特徴、注意点)を冒頭で提示
- 4Pの対応:Product(ページ構成)+Communication
S(Search:検索・比較)
- 言うこと(USPの核心):「合っているか確認できる」「買い間違いが起きにくい」
- 根拠(RTBの中心):型番・仕様・サイズ・対応、比較ポイント、注意事項、Q&A
- 4Pの対応:Place(モール内検索・カテゴリ)+Product(情報設計)
A(Action:購入)
- 言うこと:期待通りに届く
- 根拠:配送条件、梱包、検品、問い合わせ、返品対応の明確さ
- 4Pの対応:Place(配送)+Price(送料/条件)+Communication
S(Share:共有/レビュー)
- 言うこと:満足がレビューに反映される
- 根拠:レビュー促進導線、トラブル時の対応品質
- 4Pの対応:Promotion(レビュー)+Place/Communication(対応)
詰まりやすいポイント(仮説)
S→A(合致不安が残る)、A(届く不安で躊躇) → RTB(型番・条件・誤認防止・運用品質)が決定打
7. よくある失敗(AIDMA/AISASで起きがちなこと)
- Attentionで情報を盛りすぎる:最初はUSPの入口だけで十分。詳細はSearchで出す
- Search段階のRTBが薄い:不安が残り、Actionに進まない
- Shareを偶然任せにする:共有は“起きる設計”(商品/体験/導線)が必要
- 段階ごとの目的が不明:各段階の目的(次の段階へ進める)を固定する
8. ChatGPTへの質問例(この回は合計5つ)
使い方:まずは ①〜③(担当に近いもの1つ)だけでOK。余裕があれば④⑤。
※枠内をドラッグ選択してコピーしてください(折り返し設定済み)。
① 文房具カフェ:AIDMAで導線を設計する
あなたは社内マーケ講師です。 前提ターゲット:表参道/原宿エリアで、休日に「ちょっとおしゃれで特別な体験をしたい」と思っている20代女性。 前提USP:「休日の“おしゃれで特別”を叶える文房具体験」。 この前提で、AIDMA(A/I/D/M/A)各段階について - 顧客の心理(1行) - 伝えるべきメッセージ(USP/RTBのどちらかを明記) - 次の段階へ進ませる行動(CTA) を整理してください。 最後に、詰まりやすい段階を2つ挙げ、理由も添えてください。
② オンラインストア:AISASで「買い逃し不安」を潰す
あなたは社内マーケ講師です。 前提ターゲット: - コラボ商品を買い逃したくない - 正規ルートで安心して買いたい - 作品理解・作品愛(デザイン)が重要 前提USP:「作品理解と作品愛が“デザインに出ている”、安心して買えるコラボ」。 AISAS(A/I/S/A/S)各段階で - USPを出す場所 - RTBで不安を潰す場所(特にSearch) - 必要な情報項目(例:販売期間、受注、発送目安、FAQ等) を箇条書きで提案してください。
③ ユウセイ堂:AISASで「合致不安」「届く不安」を分けて潰す
あなたは社内マーケ講師です。 前提ターゲット: - モールで検索・比較して、早く確実に買いたい - 探している商品と合致しているか不安 - 期待した商品が届くのか不安 前提USP:「合致確認ができ、期待通りに届く“安心な買い物”」。 AISASの各段階で - 合致不安を潰すRTB(仕様・型番・対応条件など) - 届く不安を潰すRTB(検品・梱包・配送・対応など) を分けて整理し、どの段階に置くべきか提案してください。
④ 3チャネル横断:どの段階が「共通」か、どこが「分岐」か
文房具カフェ(店舗)/オンラインストア(自社EC)/ユウセイ堂(モール)について、 AIDMA/AISASの観点で「共通の段階」と「チャネル固有の段階」を整理してください。 また、各チャネルで最も重要な段階を1つずつ選び、理由も説明してください。
⑤ 理解チェック:AIDMA/AISASのクイズ
今日のテーマ「AIDMA/AISAS」について理解チェック問題を5問作ってください。 形式:○×2問、選択式2問、短答1問。解答と解説付き。 例は、文房具カフェ/オンラインストア/ユウセイ堂から必ず入れてください。
9. 理解チェック(3問・5分)
- AIDMAとAISASの違いは何?(一言で)
- AISASのSearch段階が弱いと、どんな問題が起きやすい?
- Shareを設計するとは、具体的に何を“設計”すること?
10. 今日のまとめ(3行)
- AIDMA/AISASは、施策を「顧客の行動の流れ」に並べ直し、導線の詰まりを特定するための枠組み。
- USPは早めに、RTBは主にSearch/Action前で効くことが多い(不安を潰して前に進める)。
- 御社は、店舗=体験の魅力、オンライン=買い逃し不安、モール=合致不安と届く不安、という形で「詰まりやすい段階」が異なるため、段階別に施策を置くと改善が進みやすい。
次回予告(第7回)
次回は カスタマージャーニーマップ に進みます。
第6回で段階(AIDMA/AISAS)を理解した上で、
実際の接点(SNS、商品ページ、予約、店頭、配送、問い合わせ等)と感情(不安・期待・満足)を可視化し、改善点をより具体に特定します。